名物カレー

たまにはグルメの話もいいかなということで。今日の昼は難波千日前の自由軒へ行ってきた。思いの外ランチ定食類が充実していたのでどうしようかと思ったが、ここはやはり店の名物であるカレーを注文。自由軒のカレーを食べること自体は初めてではないのだが、本店に来たのは初めてである。店は大盛況で、店内ところ狭しと給仕のおばちゃんたちが動き回る。私と連れの二人は長机の向かい同士で座っていたが、後から来た4,5人の団体のために席を移動してくれと頼まれて移る。連れは外食の経験が少ないので驚くことしきりである。そりゃあんた、長机に相席くらいで驚いてちゃ大衆食堂でメシなんぞ食えませんぜ。で、席を移ってみて気付いたのだが、常連の風格漂うおじさんたちと、観光で来たと思しき人と、割合としては半々くらいか。土曜だし、特に混む日なのかもしれない。店内忙しいだろうに、わざわざおばちゃんが水を注ぎに来てくれる。「席移ってもらって申し訳ないねぇ。今日は混んでてね…」大雑把なように見えて細かい気配りが利くのが大阪の人情である。そうこう思っているうちに注文のカレーがやってくる。上にちょこんと乗っかるタマゴを潰しまぶして…美味い。以前に食べたのは天保山フードテーマパークに出店していた店舗だったので、そことは味が格段に違う。天保山店は店の奥をちらと覗くと、かなり調理がオートメーション化されていたので残念だったが、さすが本店は熟練の技であるに違いない。タマゴをまぶしても意外に効いてくる辛みが程よく、スプーンを持つ手が止まらない。と、三分の二くらい食べたところでソースをかけて食べるのを思い出す。それでちょこっとかけてみたが、私としてはソースはかけない方が好きか。そして私は食べ終わろうかという頃、連れは辛いと悲鳴を上げている。それが辛いと言うてたらカレーは甘口しか食べれないでしょ。ま、でも、店は私のチョイスなので、辛さに対する配慮が足りなかったことにお詫びを申し上げておく。本当にここはお詫びするところなのか?かくして二人とも食べ終わり、お勘定を済ます。お勘定の所に番頭のように鎮座しているおばちゃんは、何ともまぁ綺麗にお化粧しておられる。忙しくても愛想を絶やさないのがプロの商売人ですな。ご馳走様と大きな声で言って店を後にする。いやぁ、美味しかったね。たまにはこんなグルメレポートも面白くていいでしょ?


カレーの自由軒と言えば、オムライスの北極星と並ぶ大阪の老舗だが、北極星はいまだにこだわりをもって店をやっているのに対して、自由軒は店を広げすぎたために味の管理が行き届かず、味が落ちたという話を聞いたことがある。それならどれだけの店舗数を出しているのかが気になったので調べてみた。すると、どうやらこれにはお家騒動っぽい事情があるらしい。
本物の自由軒 - 自由軒オフィシャルサイト
要するに、のれん分けした分家が裏切って商業主義に走ったというところか。傍目にはこういうお家騒動は面白いんですけどね。
ま、あの本店の味なら再び行ってみてもいいと思った。次はハイシライスに挑戦か。ボリュームということで言えばカツカレーなんかも食べてみたいと思う。この続きはまたの機会に、ぜひ。