そうそう

昨日は土用の丑で、久々に美味い鰻を食べた。昔から鰻と言えばその店の鰻が美味いというのでよく食べていたが、いつ頃からか安い養殖鰻がスーパーの店頭を駆逐するようになったので、ここ数年はずっと養殖クオリティにしか触れていなかった。養殖鰻というのは確かに鰻の味はしているが、どこか締まりのない味なのでそればかりを食べていると、そのうちに鰻よりも焼豚や鶏の照り焼きのほうが美味しく思えてくるのである。
が、やはり久々に真っ当な鰻を食べてみると、、、旨い。以下のGIGAZINEの記事でも挙がっているが、旨い鰻は脂が締まりなく溢れてくる代物ではなく、身が締まっていて味も引き締まっている。
今日は土用の丑の日(前編):そのウナギは本当に国産なのか? - GIGAZINE
今日は土用の丑の日(後編):「中国産」vs「鹿児島」vs「鹿児島産」 - GIGAZINE
中国産鰻が姿を消していたのは、土用の丑の日だから普段より高級志向であると狙ったものでしょう。ま、ここでの鹿児島産鰻は美味しいと書かれているが、色合いとして養殖っぽい感じが否めない。私が食した鰻は見た目から違いがはっきりしていた。
食べ終わって感想を交わすに、母と私は大絶賛なのだが、父はそうでもないとか言っている。味オンチめ。世の中にはコストパフォーマンスという幻想の下に真実の味覚を放棄してしまう人間が斯くも多すぎる。
最も驚いたのは、味が濃厚なことである。わずか2,3切れほどで丼一杯のご飯を平らげてしまった。これは旨い、ということでいつもよりも非常に大量の米を食った。いやはや、米と共に食べる食文化は素晴らしい。
いろいろ思い返すに、鰻の肝を久しく食べていない。小さい頃は毎日のように食べていたものだった。私が成長するにつれ、その食物消費量の増大によって質から量へと重点が移っていったことは言うまでもない。平生、小食な人間は情けないとばかり思うものだが、もし私が小食だったらばもっと美味い物が食べれているかもしれない。私は知らぬ間に食の醍醐味のチャンスを失ってきたのかもしれない。
だが、それでもなお、定食屋のお昼のご飯おかわりは日本人の美徳だと信じて止まない今日この頃である。