サルコジ路線はド=ゴール主義の再来か

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070802i415.htm
世界の主要国でありながら、外交では独自路線を突っ走るフランスの姿が快く見える。
シラク時代が独仏協調によるヨーロッパ主義の拡大であったと見るならば、フランスが再び外交でのアイデンティティを獲得する先駆けとしてみるべきなのだろうか。
それにしても、「地中海連合構想」か。
古代ローマ崩壊以後、ローマと同じく地中海世界を「われらが海」としようとした大国は無数に存在した。勃興期のイスラームと戦ったフランク王国から、イタリア政策を唱えた神聖ローマ、十字軍を興したバチカンと諸王たちの思惑を超えて現在に至るまで、その構想は様々に形を変えて現在に受け継がれている。植民地時代に最も多くの植民地をアフリカに獲得していたフランスが、再び地中海を「われらが海」としようとするこの壮大な構想には、フランス独りの思惑を超えて、歴史的な壮大さを感じさせる。
果たしてド=ゴール主義の復活かと見えるサルコジの外交構想は、いかなる地中海をイメージするのだろうか。欧州憲法を否決したのがフランスであったことは何か関連があるかもしれない。これからはヨーロッパも面白くなりそうだ。