華麗なる一族最終回

面白かった。このドラマの面白さは人間の欲望を描くリアリティである。前回は鉄平が法廷で理想を語る辺りがリアリティを欠いて非常に面白くなかったが、最終回はさすがと言える結末だった。
ドラマが原作とストーリーを変えていることは知っていたが、私は白い巨塔(財前=唐沢版)と比べて負けているなと思っていた。
私は山崎豊子の小説を読んだことはないのだが、読んだことのある友人に言わせると、白い巨塔以外は全て悪が勝つ結末に仕組んであるのだから(白い巨塔も悪で終わる結末のはずだった)、白い巨塔のほうがよく見えるのは当然らしい。その上で彼はストーリー改編したにしてはよくできているよと言った。
さて、最終回を見て。今までの流れを納得できるようにまとめ直している。大まかには高度経済成長の枠にはめ込んだか。本当によくまとめたなぁと思う。
私はこのドラマで大介の策謀の手管の数々に歓喜した。このドラマの楽しみは世知辛さ(実際これほどは稀かも)を傍観できることだろうかと思う。ま、登場人物の誰かに心情を重ねると途端に暗鬱なドラマと化するのだが。