夏草や兵どもが夢の跡

夏の暑さは如何ともし難く、年の若さは如何ともし難い。
年少故に思慮浅はかでもあれば、むしろ浅はか故にしか成し得ないこともある。
彼らはこの夏の夢の跡から何を学び取るのだろう。いや、私は何を学び得たのか。
夏はどこまでも永遠に続く。来年も再来年も、そのまた来年も。
そのたびに夏は同じ光景を見せるだけに過ぎない。激し、涙する若さを。
その時、燦然と輝く太陽よりも私は熱く燃えたぎっていた。
いつか来年は果たすとの雪辱の思いは次代に引き継がれていくのだろう。
激情は雷電の如く。若さは刹那の如く。
伝承は輪廻の如く。